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先輩を助けよう! 3

レンシアは辺りを見回した。 生徒達が楽しそうに昼食を取っている風景はいつも通りである。 しかし、食堂の隅の隅の方に深くフードを被って一人でいる後ろ姿を見つけレンシアは立ち上がった。 「れ…レンシアさん?」 レンシアはつかつかとそちらへと歩いて行く。 気配を殺すように丸まった背中に、 全身から漂わせている陰気なオーラ。 それでも不思議と悲壮感の薄れている独特な感覚。 「ヴェネッタさん」 「ファッッ!?!」 顔を覗き込むように声をかけると、彼は飛び上がって驚いている。 「れれれれ、レンシア様!!?ごごご、ご機嫌麗しゅうて!」 彼は椅子から転げ落ちそうになり結局滑り落ちてまた床に額をつけそうな勢いで頭を下げている。 「あの…ちょっといいですか?」 「へ!?レンシア様自ら!?まさか目障りでした!?すみません!生意気にA定食食べててすみません!!新学期早々視界に入ってしまい申し訳ございません!!」 「いえ…そうではなくて、紹介したい人がいるのです」 「しょ…紹介……?」 彼は恐々と顔を上げると、ぽかんと口を開いている。 勢いでフードが落ちて、銀色の長い髪と少しフレームの歪んだ眼鏡が見えていた。 「警察……ですか……?」 「はい?」 「いや、あの、確かに先月の“予言の光”の特典ブロマイドは自分が撮影しましたが!!悪気はなくて!!!」 「あー…あれやっぱりヴェネッタさんが…」 「盗撮なんて犯罪ですよね!あまりにも美しく神々しいお姿に…っ!後ちょっとお金貰えるからってつい出来心で!申し訳ございません!申し訳ございません!如何なる私刑も謹んでお受けします!レンシア様になら爪を剥がれるくらいアリ寄りのアリです!」 再び床に頭を擦り付け始めるヴェネッタに、レンシアは苦笑してしまう。 しかしやっぱりお金には困っているようだ。 「それはもう…良いです…恥ずかしいけど…」 「ゆ、許してくださるのですか…!?」 「ええ。もうしてはいけませんよ?」 「なんと慈悲深い……」 「それはそうと、ちょっと来てくれます?」

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