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先輩を助けよう! 6

「まあ貴族だからと言って高額な学費をポンと払えるわけではないだろう。 現にこいつは魔道具で学費を稼いでいたわけだからな」 「そうなんですか?」 「ううぅ…お恥ずかしい限りです…うちは傾きかけてる家ですし… そもそもお前なんかに使う金はないと昔から口酸っぱく言われておりましたから…」 「…そっか…大変やったんやな…」 「……でも、良いのです…自分には心の支えがありましたから」 「心の支え?」 「は、はい!その方が世界に存在していると思えばどんな理不尽でも耐えられるってもんです!」 「…と、とにかく、ヴェネッタさんを助けてくれますよね!?」 レンシアは嫌な予感がして、慌てて間に割って入った。 「もちろんですよ。是非私共にお任せください! 魔法を授かった人には平等に学ぶ権利があるわけですから!」 「い…イオン殿ぉ…」 「私共って…一人だろ…」 色々突っ込まれているイオンだったが、それでも誰かを救おうとしていることには違いなくて それは魔法とか関係なく、彼は今の自分に出来ることを考えて動いているようにレンシアには見えていた。 彼のそんな行動に確実に救われているのだ。 今もこうして学園にいられるのは、イオンのおかげなのだから。

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