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眠りの淵で 2
そうしているとドアがノックされるが、レンシアは動けなかった。
「レンしぃ…」
ローラの声だった。
レンシアは泣きながら顔を上げる。
視界は滲んでいてよく分からなかったが、ローラとイヴィトのようだった。
「い…イオンさんが…死んじゃったらどうしよう……」
二人につい弱音を吐いてしまうと、ローラはため息をつきながらイオンの顔を見下ろしている。
「バカが。こいつがそう簡単に死ぬわけないだろ」
「そ、そうやで…イオンがレンシーを残してどこかに行くわけないやん…」
二人はそう言ってくれるけど、レンシアは涙が止まらなくなってしまう。
「また…俺の所為なんでしょうか…?
俺がエルメーザ様に楯突いたから……?怒りをぶつけてしまったから……?」
「まだ分からんが…エルたんも相当に凹んでいたぞ」
「アニーフ先生も魔法が原因とは考えにくいって言っとったから、二人の所為やないと思う…」
「じゃあ…どうして……」
ローラは、ふむ、と言いながら腕を組んだ。
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