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眠りの淵で 3

「一つ考えられるとすれば…精霊…、なのかもしれない」 「精霊……?」 「テストも終わったし暫くは収まっていたようだがな。 だが常にこの学園には精霊の気配が渦巻いている。 不安定な魔法使いが犇めき合っているから恰好の場所なんだろう。 イオンとリウムは精霊を呼べる魔法が上位能力で共通しているし、魔法が原因でないとすれば肉体的理由もしくは他の存在の介入のどちらかだ…」 「二人が…同時に精霊を呼んだ、と…?」 「俺は専門外だからあまり詳しくはないが…精霊を呼ぶのは所謂“降霊”の類だ。 降霊は本来複数人で行うのが有効とされている」 ローラの言葉に、レンシアは頭を回転させてしまった。 精霊は、疎通、光、そして癒しの魔法に反応する。 そしてそれらの魔法が一定の数値になると降霊してしまうと。 降霊は複数人。 魔法は感情に付随する。 「……俺も、エルメーザ様も…“呼べる”……」 エルメーザは光の魔法を、そしてレンシアは全てを。 あの時、自分達は感情を昂らせていた。 それがもしかすると、降霊に繋がってしまったのだろうか。 自分達の所為なのかもしれない。 そう思うとレンシアはなんとも言えない絶望に包まれてしまう。 「あくまで可能性だ。まだそうと決まったわけじゃない…」 「うん…思い詰めてレンシーまで倒れたらあかんで?」 二人はフォローして、慰めて行ってくれたがレンシアはそう思えて仕方なくなっていた。

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