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国家欺瞞の君 2
「目が覚めた時…エルメーザがすごく泣いてて…、
沢山謝られてびっくりしちゃった…」
彼はどこか恥ずかしそうに俯きながら呟いた。
レンシアに引っ叩かれていたので、エルメーザは少々反省したのかもしれない。
「みんなもごめんね…沢山心配かけちゃって…」
「それはいいけど…困ったことあったらちゃんと相談してな?」
「そうだぞ。実害のある事件はあまり愉快とは言えない」
イヴィト達に怒られて、リウムはこくりと頷いた。
「あ…あの……あのね……僕……えっと…本当は、嘘、付いてたことがあるんだ…」
「嘘?」
「正確には嘘じゃなくて…ただ言ってなかっただけ、なんだけど…」
リウムは俯いたまま、ぼそぼそと呟き始め三人は顔を見合わせた。
「僕は…本当は…、だ…“大天使の生まれ変わり”じゃない……
ていうか…癒しの魔法も持ってない……」
彼の発言は国家機密並みの衝撃発言で、三人は顔を見合わせていたがすぐさま各々動き出した。
ローラはドアに走って鍵をかけ、イヴィトは窓に走ってカーテンを引き始める。
「な、なななな、何言ってんの…!?」
イオンは思わずベッドに手をついてリウムの顔を覗き込んだ。
「そ、そうだぞ!?お前は今次期皇帝婚約者なんだぞ!?“大天使の生まれ変わり”として!」
「こんなこと誰かに聞かれたら、さ、刺されるどころの騒ぎじゃ…!」
「ごめんなさーい…」
リウムは悪戯でも見つかった時のようにしゅんとして軽めに謝ってくる。
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