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夕暮れ時には 4

「…リウムさんはどうでしたか?」 「え、…」 「会ってきたのでしょう?」 「あぁ…、そうですね…思ったより元気そうで…」 疎通の魔法の所為か、彼は人よりも環境や空気に機敏みたいだった。 それなのにレンシアは、そうですか、とどこかホッとしたように微笑んでいる。 「ふふ。二人を救う為とはいえあの厳格なエルメーザさんが俺と一緒に違反行為をしてくれたのですよ? よっぽどリウムさんが大事みたいですね」 「い、違反行為…?」 「あ…、これは内緒にしておいてくださいね?」 レンシアは顔を近付けてきて小声で呟いた。 「やっぱり…レンシアさんが助けてくれたんですね…?」 「助けたという程では…俺にも結局よく分からなかったんです… というよりあんまり覚えていなくて…」 「ええ…?一体何をしたんですか…」 イオンが聞くとレンシアは戸惑ったように微笑んで俯いてしまった。 そうやって、あんまり彼は自分の事を話そうとしない。 違反行為、だなんて。 「…レンシアさん、もしかしてすごく危ない事をしたのでは…」 「……ごめんなさい、お二人を救うにはそれしかないと思って…」 彼が誰かの為に自分の身を削ってしまえる人だとは重々分かっていたが、もしも取り返しのつかない事になっていたらと思うと恐ろしくなってしまう。 魔力切れで彼が倒れてしまった時のことを思い出して、イオンは衝動的に彼の頬に触れてその土を拭った。 「助けてくれてありがとう、レンシアさん。 …でも、俺を救うために傷付くような事は…あんまりしないで欲しい もしまた俺が死にそうになっても、…レンシアさんが傷付くんだったら何もしなくていいから 癒しの魔法も、使っちゃだめだよ」 レンシアはこちらを見ると、その眼を少し涙で滲ませている。 「い…嫌です…、俺は…あなたを救う為なら、何だって…」

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