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非難轟轟 1
なんて恋愛は難しいのだろう。
拗らせれば拗らせるほど、その難易度が上がっていくのかもしれない。
あれから結局、部屋に戻ってもレンシアはイオンと目を合わせようとはせず、
声をかけても逃げられ、喋る間もなく布団に潜り込まれてしまい
朝も何も言わずにさっさと出て行かれてしまって、同じ部屋なのに別居状態になっているイオンだった。
「結婚で傷付いていた人間にいきなり結婚を申し込んだのか?」
「だからやめなって言ったやん……」
「自分からチャンスを叩き割ったんだーバカだなーイオンくんは」
「ぐ…うう……」
愚痴った挙句に総攻撃を喰らい、イオンは食堂のテーブルにのめり込む勢いで肩を落としていた。
めげずに謝ろうと今日一日レンシアを探したが、
疎通の授業でもいつも隣だったのに彼は一番遠くくらいに座っていたし、
それ以外でも避けられているようで結局捕まらなかったのだった。
「僕まだエルメーザに言わないでおいてあげてるのにー」
今日から登校してきていたリウムは、傷だらけの風体の割に太々しい態度でにこにこしている。
「だ…だって…あんな事言われたらつい口が滑るじゃん……」
「ついってついでのついってことー?」
「口が滑って言うような事じゃないだろうが…お前は十家なんだぞ?」
「そうでなくても軽々しく口にしていい事やないやん…」
「ぜ…全部正論すぎる…」
レンシアは平気そうにしているだけで、本当はかなり深く傷付いているに違いないのだ。
やっぱり想いを伝えるなんてやめておいた方が良かったのかもしれない。
「でも……俺のこと愛してるみたいな事言ってくれた気がするんだよぅ……」
「ほんまにぃ…?」
「お前の認知が歪んで都合よく解釈しているだけじゃないのか」
「愛してたら逃げなくない?フツー」
「うぅう……消え去りたい……」
全部コテンパンに叩きのめされて、イオンはもう対抗手段を無くしテーブルに水溜りを作るのだった。
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