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非難轟轟 3

「あ、それ自分が撮ったんですよ! レンシア様が、こんなものでよければと了承してくださって!!」 「先輩って頼んだらやばいビデオにでも出てくれそーな危うさあるよねー」 「ベッドの上に貼りたい……でも秒で本人にバレる…そしてまた嫌われ度が加速する……でも貼りたい……」 「もう俺ツッコまへんよ?」 各々暴走し始めるカオス空間に唯一の常識人イヴィトは呆れているようだ。 「ほ…本人を目の前にして言うのも恐れ多いですが…じ、自分はレンシア様こそが本物だと信じておりますから…」 「なんでそんなの分かるの?」 「それはもちろん予言があったからですよ! “黄金を纏いし大天使の魂、紫の火を燈し産まれ、地上に光齎さん”…!初めてこの予言を読んだ時は痺れたなぁ…!」 「ふぅん…当たってるっていうか…まんまじゃん…」 「……ねえこの画像アクキーとかにできない…?」 「おおぉ…!イオン殿も良さがわかってくれますか!?」 「わかりすぎるよ…良さがいいよね…」 「で、ですよねー!?」 「IQ3の会話すぎるな…」 「なんか先輩の愛され方キモない?」 「俺はツッコまん…」 イオンは写真を見ながら興奮すると同時にやっぱり少し落ち込んでしまって、再び深いため息が溢れてしまう。 何も出来ずに、取り返しのつかない事になって後悔するよりは気持ちを伝えて嫌われた方がマシだとは思うけど。 それにしたってもっとちゃんと気持ちを伝えられればよかったと思ってしまう。 「イオン殿……?」 急にイオンが黙ってしまったので、テーブルはいつの間にかシーンとなっていた。

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