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一途でいなさい! 1

食堂ではみんなでわちゃわちゃしてしまったが、やっぱりリウムの言ったようにもう一度ちゃんと話すべきかもしれないと 諦めきれなかったイオンは放課後またレンシアを探し回った。 しかし結局彼は見つからなかった。 イオンはため息を溢しながら中庭で“予言の光”を開いていた。 自分は10冊あるので!とヴェネッタに1冊譲ってもらったのだ。 どうやら彼が所属している宗教団体は“大天使の生まれ変わり”を信仰しているらしく、 百数年ぶりに本物が現れて非常に盛り上がっているらしい。 世間的にはリウムが本物とされているものの、 彼らは“予言”に従ってレンシアだと信じてやまないようだったが、奇しくも彼らの予言は当たっていたのかもしれない。 本当の事は誰にも分からないけど、リウムは癒しの魔法をコピーしているだけなのだから。 「……“大天使”…かぁ……」 イオンにはゲームの設定だしという気持ちもあるが、この世界においては本当のことで 国ぐるみでもそれを重要としているらしかった。 神から授かった魔法の中で、唯一貸し出されているという“癒しの魔法”。 それを有している貴重な存在。 立派な雑誌を読んでいると、 本当はレンシアは雲の上の人なのだと実感してしまってイオンはますます凹んでしまう。 「いや…違う違う……、俺の目的は結婚する事じゃなくて…レンシアさんの笑顔を守る事であって……」 イオンは一人でぶつぶつと呟いた。 当初の目的を見失ってはいけないのだ。 「……入ろうかな…“B.E.R”………」 陰から見守る存在とヴェネッタは説明してくれていたし、 自分もそういう感じで見ていた方が良いのかもと思ってしまうイオンだった。

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