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一途でいなさい! 3
「……イオンくん……は、レンシアのこと…どう、思っているんだ……?」
「エ?」
急な質問に隣を見ると、エルメーザは何故か頬を赤らめながら目を泳がせている。
「ど…どうというと……?」
「レンシアは君のことを…大切に思っていると言っていた…」
「そんなこと言ってたんすか…!?」
レンシアが元カレに対してそんな風に言ってくれていたと想像すると、恋愛初心者のイオンは頭が爆発しそうになる。
「お…俺は、ですね…ええっと……その…す、素敵な人だなと思ってますし……好き…だいぶ好き…かもしれませんが…
で、でも、無理矢理どうにかしようとかそのような邪な思いはけ、決して…!」
そしてイオンは爆発しそうな頭でだらだらと言葉を紡いでしまう。
「私は…レンシアを傷付けた…その上に、様々なものを奪ってしまった…
彼が嘘吐き呼ばわりされる羽目になったのも…離縁されたのも…私の所為で……」
エルメーザは両手を握り締めながら、泣きそうな表情で項垂れている。
「やっぱり…君の言った通りだったよ…、私はずっと近くにいたのに…、守ってやれなかった…
だけど君は、レンシアの為に方々駆け回って…」
死ぬほど後悔していそうなエルメーザに、イオンは全然関係のない事を考えてしまっていた。
なんだかやっぱり別れなければ良かったみたいな元カレの顔をしている気がして。
それに、リウムこそが本当の嘘吐きだと知ったら彼はどうなってしまうのかと。
「あー…あのう……エルメーザくんは…リウムのことが好き、であってるよね……?」
何故かイオンは変な汗が背中を伝っており、震えながら問いかけると
エルメーザはため息を溢しながら俯いたままこちらを見ようとしない。
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