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一途でいなさい! 5

「エルメーザくんは…替えの効かない大変な立場だってわかるよ… でも…彼氏としてはどうかと思うわ……」 「…か、彼氏として……?」 「そうよ…た…例え、今は国が決めたことでも… エルメーザくんはその前からリウムと付き合ってたわけでしょ…」 「うん…?」 「つ、付き合ってるんだったら好きかどうかわからないとかいうのはちょっといただけないって言うか… ちゃんと好きって言わなきゃだめだと思うし…婚約したんだったらなおのことだよ… 思ってるだけで…い、一緒にいるだけでそう言う事なんだから言わなくていいだろとか どうせ結婚するんだからと自惚れてたら気付かない間にどんどん気持ちは冷めていってるんですからね…」 イオンは話していてだんだんムカついてきてしまって彼の肩を掴む手の力を込める。 「そもそも婚約してる人がいるんだったらちゃんと別れてからじゃないとキスとかしちゃダメなの!! 浮気なんて本当に最低なんだから!!」 「う、浮気なんてそんな…」 「はぁ!?レンシアさんと婚約してるのにリウムとキッスしてたでしょ!?立派な浮気じゃない!」 エルメーザは目を見開いたまままた顔を赤くしている。 「そう…なのか…?リウムが“こんなの挨拶みたいなもん”と言っていたんだが……」 「いやいやいや…だから…付き合ってる人以外で基本的に触ったりするのはだめでしょ? そういうのを他の人としないですよっていうのが付き合うという事なわけで…結婚だって本当はその最たるものなわけで…」 「そう…なのか…?」 恋愛を説けるほどの経験などなく、月9ドラマくらいしか知識がないイオンよりも彼が恋愛というものを分かっていないのか それとも奔放すぎるのだろうか。

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