301 / 513
二生目の正直 5
心配そうな顔をしているレンシアをイオンは抱き寄せた。
「痛くなかった……?気持ちよかった?」
不安をぶつけるように聞いてしまう。
だけどレンシアは腕の中で小さく頷いてくれた。
そんな事で、あり得ないくらい満たされた気持ちになってイオンは彼の首に顔を埋めるように抱き締めた。
「なんかもう俺…今のでだいぶ満足したかもしれない……」
「な、何を言ってるのですか…!それだとイオンさんが…っ」
「俺は全然…いいから……」
確かに身体はずっと熱くて持て余しているような感じだったけど、
もう何も要らない気がしてレンシアを抱き締め続けていた。
しかし彼は藻搔くようにして背中を叩いてくる。
「だめ……、ちゃんと、俺と繋がって……」
耳元で呟かれたその言葉は、さすがに拒否すると男が廃るもので
イオンは鼻を啜りながらも少し身体を離した。
レンシアは大号泣しているイオンの頬を拭うように触れると、ちゅ、と軽く口付けてくれる。
「レンシアさん…俺の口今…」
彼は構わず再び口付けてくれて、唇を舐められると勝手に口が開いていく。
犯罪レベルのエロさでは?と変なことを考えながら舌を絡めてしまっていると、彼の手がベルトを外し始める。
下着を濡らしていた中心に触れられると、こんな事あって良いのかと何故か逆に逃げ出したくなってしまう。
「ちょ…、あの…」
自分が触るシミュレーションばかりで触られる想定をしていなかったイオンは思わず彼の肩に触れて口を離してしまう。
レンシアの手が暴発寸前の中心に直接触れると、また頭が沸騰してしまって。
「……ちょっとだけ…待って……」
彼は膝立ちになっている。
イオンは少し上の方に行ってしまった彼の顔をぼうっと眺めた。
長い睫毛を揺らしながら、再び紅潮した顔で唇を噛んでいる。
至近距離で見る彼の美しさに、これは絶対走馬灯にランクインしてる、と関係のない事を考えてしまう。
こんな事が起こっていると井小田に知らせに行ってやりたいくらいだった。
ともだちにシェアしよう!

