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爆誕!! 2

小型犬くらいのサイズの生き物はツルッとした黒い鱗のような身体に、頭には小さいがツノも生えているし 収納しているようだが翼らしきものもある。 「…水族館で見たのは神龍タイプだったけどこれはドラクエの竜王タイプ……?」 「確かに、水族館にいたのは水棲ドラゴンやったけど…この子は違うみたいやな」 レンシアが頭を撫でるようにすると、生物は心地よさそうに目を細めて彼の胸に頬擦りをしている。 そうしているとスティッチみたいで可愛い感じもしたが、幻獣生物はやっぱり何度見ても現実感がなくて不思議に思えてしまうのだ。 「突然石から飛び出してきたんです…ど…どうしたら良いのでしょう…?」 「協会から許可は貰ったんよね?」 「あー…なんか最終的にはすごい適当だったんだよなぁ… もう一回行った方がいいかもしれないね」 ドラゴン保存協会では散々たらい回しにされた挙句、レンシアの弱い心が産んだ妄想のような扱われ方だったのを思い出して イオンは、ほれ見たことか、と見せびらかしたいような気持ちになるのだった。 「た、確か3年生にモルフェガレ家の方がいらっしゃいますよ 飼育法などでお困りなら尋ねてみられてはいかがでしょう… いつもドラゴンと一緒でいらっしゃいますし…」 「モルフェガレ家……?」 「お前は同じ十家だろうが…」 首を捻るイオンにローラは呆れたようにため息を溢している。 同じといえど他の十家については全然詳しくないイオンである。 「モルフェガレ家はドラゴン使いの家系で、生まれた時からずっとドラゴンと居るんよね。 やから学園でも特別に持ち込みが許可されとるって聞いたで」 「ほぇー…そんなポケモンのチャンピオンみたいな家なのか… 同じ十家なのになんか格好いいな……」 十家は四天王のような響きでもあるが、リチャーデルクス家には残念ながらそんな特殊能力は備わっていないのだった。

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