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爆誕!! 3
「許可がないとドラゴンは違法所持になってしまうからな」
「…そうですよね…まさか本物とは俺も思ってなくて…」
レンシアは腕の中で眠ってしまったドラゴンを抱えながら肩を落としている。
「にしてもすごい懐いとるなぁ。レンシーを親だと思っとるんかな?」
「さ、さすがです!金羊だけでなくドラゴンをも手名付けてしまわれるとは…!」
イヴィトが言うように、ドラゴンはすっかりレンシアにべったりのようだ。
鳥みたいに最初に見かけたのが親だと思ってついていく習性なのだろうか。
イオンは食堂の壁にかけてある大時計に目をやった。
「…寮の門限まで時間あるし、今から行きましょうか?
確か電車で行けたよね」
「うん。後は俺たちでやっとくわ。ね?ヴェネッタ先輩」
「は、はいもちろんです!お任せくださいませ!!」
「めっちゃ助かるわ…ありがとう」
本当に役員にしたいくらいの二人にお礼を言いながら、イオンは机の上に広げていた資料を手早く片付けた。
「え…良いのですか…?お仕事中だったのでは…」
大量の紙束を持って立ち上がると、レンシアは心配そうに見上げてくる。
「全然良いですよ。急いだ方がいいことでしょうし」
違法になってしまう事なのであればちゃんと然るべき手続きは踏まねばならないだろう。
「いってら」
「気ぃつけてなー」
ローラ達も手を振ってくれて、行きましょうか、と言いながらイオンはレンシアと一匹のドラゴンと共に歩き出すのだった。
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