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一緒に帰ろう 2
「なんとかなってよかったね」
「ええ……」
レンシアは頷いていたが、まだどこか複雑そうである。
「…ローラさんもありがとうございました…」
「別に。水族館の件といいドラゴン保存協会にはちょっと引っかかってたからな…」
ローラはそう言いながらも片手で眼鏡を押し上げている。
「それにしてもよく理事長なんて引っ張ってこられたね」
「まぁあいつには借りがあるからな。責任を全うさせてやっただけだ」
「貸してる側の態度じゃん…逆じゃない?普通…」
ローラは誰に対しても偉そうではあるのだが、何故か従っている理事長も謎である。
しかしとりあえずは助かったのでよしとするイオンだった。
「二人と理事長先生のおかげですよ。ジンシーバさん」
レンシアはそう言いながら、再び彼の腕に抱えられているドラゴンに微笑みかけている。
その聖母のような眼差しを見ていると、やっぱりイオンは頭がぼうっとなってしまうのだった。
ドラゴンは黄色い瞳でちらりとイオンを見つめると、ぐう、と変な唸り声をあげている。
「なんだその名前は…レンしぃのネーミングセンスはもっと可愛らしいものだと思っていたんだがな?」
「あーわかる…チョコとかココアとか付けてそう…」
「どういうイメージですか…」
イオンがぽわぽわなった頭で変な事を呟いているとレンシアは呆れたように目を細めている。
「違いますよ、この子が教えてくれたんです。ね?」
レンシアはドラゴンに微笑みかけているが、本人は到底理解できない鳴き声をあげている。
確かにドラゴンは思ったより表情豊かに見えるが、顔を見ただけで名前までは想像できない。
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