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プレゼント 4
「……い、イオンさん…あの…」
「レンシアさん…俺絶対浮気とかしないし、
…レンシアさんが嫌がるような事とか、なるべくしないようにしますから……」
「え…?」
「お……俺と付き合ってください……」
急にそんな事を言われて、レンシアは目を見開いた。
何を言っているのだろう、この人は、と。
だけど彼はとても真剣な眼差しでこちらを見下ろしてくる。
「レンシアさんが傷付くんだったらとか思ってたけど…
普通…付き合ってからですよね…色々すんのは……すみません…俺本当だめで……」
好きで、好きなだけで、近くにいられるだけで良くて。
こうして触れ合えれば、それだけで幸せで。
そんなこと全然、考えもしなかったから。
レンシアはイオンの真剣な眼差しをどこかぼうっと見上げてしまうのだった。
「付き合う…というと………」
「えっと……恋人に、なって欲しいです……」
「俺が、イオンさんの…?」
恋人?
その言葉が脳に届くと、心臓があり得ないくらい騒ぎ始める。
どうしたらいいかわからなくて、また逃げたくなったけど
覆い被さるように彼の両手で塞がれているので逃げられそうにない。
「俺のこと信じろって言うのは、難しい話かもしれないけど…
でも…やっぱり、ちゃんと…付き合ってからじゃないと触ったりするのはだめだと思うのですね…」
いや本当に俺が言える事じゃないんですけど、とイオンは早口に呟いている。
「イオンさんが…不誠実だとは思いません……
でも…俺……俺なんかが、恋人…なんて……
…俺は、その…庶民…だし、それに純潔でも…無かったわけですし…」
口に出すと烏滸がましいような気がして、レンシアは目を細めた。
触って欲しいと自分で頼んだ癖に、ちゃんと答えようとしてくれる彼はあまりにも眩しくて。
彼と向き合えば向き合うほど、その光に目が眩んでしまうようで。
「俺そんな処女厨とかじゃないですよ……」
「で、でも…十家の方の恋人なんて…
た、例え学生の頃だけだったとしても……
汚点に…なってしまうのでは…?」
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