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野暮用 2

イオンも探そうと部屋の中を見回すと、窓が開いているのに気付く。 「もしかして外に出て行ったとか?」 「え…どうしよう……!?」 レンシアは窓に駆け寄り、頭を窓から出した。 確か珍しいドラゴンだという話だし、1匹でふらふらしている所を誰かに見つかれば騒ぎになるかもしれない。 「窓だってちゃんと閉めてたはずなのに…」 「自分で開けたのかなぁ…」 産まれたばかりだというのにドラゴンは結構賢いらしい。 窓から身を乗り出しているレンシアが、落っこちそうで危なっかしく見えてイオンも彼の元へと行った。 「飛んでいったのかな…? さっきだったらまだそんなに遠くには行ってないんじゃないかな」 ドラゴンがどれぐらいの速度で飛ぶのかは分からないが、生まれたてだしさすがに学園の外まで行く可能性は低そうだ。 イオンは窓から飛び出していきそうになっているレンシアを部屋の中に引き戻した。 「どうしよう…俺の所為です…目を離してしまったから……」 「大丈夫ですよ、みんなにも協力してもらって探しましょう」 レンシアの顔を覗き込むと、彼は泣き出しそうな目を向けてくる。 そんな顔をされるとイオンは何がなんでもどうにかしてやりたくなってしまう。 慰めるように彼の頭を撫でていると、窓の方から物音がしてそちらに目を向けると 真っ黒な生物が窓枠の所に乗っている。 黄色い目をまん丸にして二人を見上げている。

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