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ドラゴン使いの先輩 2

『わたくしもサヴァトーラも5歳の時に一度リチャーデルクスのお屋敷にお招き頂きましたのよ。 その時イオン様にもお会い致しましたの』 「え…そうだったんすか?」 「そうだったか……?」 『あの時はリチャーデルクス公爵夫人のフィヲ様にベッタリでいらしたのにとてもご立派になられましたわね 背丈も随分と伸びていらして!』 ドラゴンはにこにこと愛想よく親戚のおばさんのような事を言っており、流石に物心つく前なので覚えはないが レンシアも居るのでイオンは若干恥ずかしく感じてしまうのだった。 「やっぱり…イオンさんにも言葉が分かるのですね?」 「うん…ドラゴンってすごい社交的なんだね?」 成績優秀なレンシアはまだしも、ドラゴンとの疎通はなかなか出来る事ではないと聞くのだが。 それに他の生物の言葉がこんなにはっきりと聞こえたことなどなく、いつのまにか自分はこんなに力を付けていたのかとイオンは驚いてしまう。 「ネルシャは人間に歩み寄っているからな 疎通の魔法を少しでも齧っていれば分かるように話している」 「歩み寄る…?そんなことが…?」 レンシアも驚いたように目を見開いている。 よく分からないがイオンは自分の力ではなかったらしいと苦笑するのだった。 『本来人間の言葉を使う必要はないのですけれど… サヴァトーラったらわたくしの思うように伝えてくれないのでやきもきしてしまうんですもの』 「君の文学的表現は訳すのに難儀するんだ」 『仕方がないのでわたくし人間の言葉と疎通の魔法を覚えましてよ』 ドラゴンはにこにこと愛想よく微笑んでいる。

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