337 / 513

ドラゴン使いの先輩 4

「今朝も一人で窓から出ていってしまったようで心配していたのです…」 「そうだなぁ…ドラゴンは意外と独りになりたがる生き物だからな…」 『意外とはなんですか!己と向き合い思考する時間が必要なのです!』 「ふむ。確かカーテン付きのカゴが余っていたから君にあげよう。 引き篭もれる場所を作っておくといい」 「え…良いのですか?」 「この学園に来た時に持って来たのだが… ネルシャは急激に巨大になったので結局一度も使わなかったんだ…」 『成長期でしたもの。仕方ありませんわ』 「もう少し大きくなれば飛行訓練も必要になるだろう。 グラウンドは許可を取れば使用できるが、出来れば人が居ない時間帯が望ましいだろうな」 「飛行訓練…」 サヴァトーラとネルシャは親切に色々と教えてくれて、レンシアは途中から慌ててメモを取っていた。 その間にもジンシーバは暇そうに彼の肩の上に行ったり背中に行ったりして、最終的にはイオンの頭の上に乗っかると何故かけたけたと笑っている。 1番高い所を見つけて嬉しかったのだろうか。 「ご親切にありがとうございます…モルフェガレ様…」 「サヴァトーラで構わないよ。レンくん」 「レ、レンくん?」 レンシアはまた新しい変な呼び方をされ、苦笑している。 「年の近いドラゴンに選ばれた人なんて初めてだ。 正直とても嬉しく思っているよ。私に分かることであればなんでも聞いてくれたまえ」 サヴァトーラはそう言いながら微笑んでいて、顔や雰囲気はキリリとしているけどめちゃくちゃ良い人なのではと思ってしまう2人だった。

ともだちにシェアしよう!