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同じ日産まれ 1

イオンとレンシアとジンシーバは、放課後にサヴァトーラの部屋にドラゴン用のカゴを貰いに行った。 別棟にあるサヴァトーラの部屋は、ドアの横には謎のプレゼントのような箱が積み上がっていたが 危険!触るべからず!という張り紙がしてあり、確かに箱からはそのラッピングの派手さに相反するようなおどろおどろしい雰囲気が感じられた。 彼の部屋は一人部屋のようで、ある意味では上の階のエルメーザ達よりも特別扱いのような気がしてならなかった。 ドラゴン用の特注品だというカーテン付きのカゴは、結構大きめの作りで鳥かごのような犬小屋のようなという感じで 中にクッションでも入れてやれば勝手に入るだろう、との事だった。 「ありがとうございます、イオンさん…重たくないですか?」 「全然、これくらいお任せください」 確かにちょっと重たかったが、イオンは格好付けて涼しい顔をしながら別棟の廊下をレンシアと歩いていた。 今から階段を降り、再び4階まで上がる事を考えると部屋に着く頃には汗だくになっていそうだ。 「サヴァトーラ先輩、めちゃくちゃ良い人で良かったですね」 サヴァトーラは立ち居振る舞いは優雅でキリッとしていて、The上位貴族といった感じだったが 喋ると一生ネルシャに突っ込まれており、なんだか可愛げのある人だなという印象だった。 「そうですね、とても心強いです」 レンシアはそう言って微笑みを向けてくれて、今朝は不安そうだった彼も少しは安心出来たようでイオンもホッとしてしまう。 「にしても盟約って勝手に結ばれてるんですね…遠くに離れたり出来ないんだ」 「そのようですね。全然自覚はありませんでしたが…」 「ドラゴンの寿命は300年くらいって話だし、 レンシアさんとずっと一緒にいてくれるんだなお前は」 イオンはレンシアのフードの中に潜り込んでいるドラゴンを見下ろした。 ドラゴンはキョトンとした顔をしている。 「なんだか全然実感がないですが…」 「でもネルシャさんも選び間違いは無いって言ってたし、レンシアさんの為に産まれたんじゃないですかね。 同じ日にって言ってたし……」 青銀龍の言葉を思い出しながら呟き、イオンはハッとなって足を止めた。

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