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契約じゃなくても 2
「……頭冷やして来ます…」
「え!?待って待って!?!」
どこかに行こうとしているレンシアの腕を取って阻止した。
幾ら拗らせているイオンもこのまま放置するのは良くないと直感したのだ。
「ごめんね??俺バカだからさ??えっとつまり…どういう事??」
ほとんど床にへたり込んでいるような形になって彼を見上げると、レンシアは不可解そうに見下ろしてくる。
それはそれで何故かゾクゾクしてしまうのだが、彼の眼は少し濡れているのでちゃんと真面目に考えなきゃと自分を叱り付けながらイオンは必死に見つめた。
「…はしたないことを言いますよ?
…俺はね?」
「はい…」
「イオンさんと」
「うん…」
「いっぱい繋がりたいなって思うのですよ?」
「つ…繋がる……」
「もぉ…」
レンシアはため息をつきながら一緒に床に座り込んでイオンを睨んでくる。
「……本当は分かっていて意地悪をしているのですか?」
「め、滅相もございません!いや、あの…俺の頭が不純すぎて…!?」
レンシアの文学的表現が上品なだけのエロなのかそれとも想像も出来ないような高尚な精神理論なのかが分からずイオンが戸惑っていると
彼は眉根を寄せて顔を近付けてくる。
「愛し合いたいなってことです…」
あくまで上品な言い方をするレンシアだったが、イオンはキャパオーバーしてしまって
鼻血が出そうになりながらも、どこか不機嫌そうな顔をしているレンシアを呆然と捉えていた。
こんな事があっていいのかと自分の脳の異常を疑ってしまう。
「……いっぱい……していいんすか……」
拗らせ過ぎて最低の事を呟いていると、レンシアは小さく息を吐いてイオンの腕を引っ張って持ち上げるとベッドに座らせた。
そしてイオンの膝の上に跨るように乗ってくると強引に唇を奪ってくる。
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