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契約じゃなくても 6

「俺は…レンシアさんのこと好きすぎて空回ってるんだろうね…」 イオンがいつもレンシアを前にするとちょっとだけ緊張してしまうのは本当だった。 「…イオンさん、は…大切にしようとしてくださっているのだと…、解っているのです… それはすごく嬉しい…でも、俺なんかが、と思うと…」 イオンはレンシアの胸に口付け、その真ん中の突起を舌先で転がしたり指先でこねくり回したりした。 レンシアの唇からは悩ましげな声が溢れ始める。 「っ…、ぅう……」 レンシアがなんであったってなくたって、イオンは惹かれてしまうのだろうと思っていた。 だけど世界は彼を放っておいてくれないのかもしれなくて。 そんな人を、恋愛赤ちゃんのイオンは必死で追いかけても良いのかと思ってしまっていたのだが もしもレンシアを不安にさせてしまっているのなら、躊躇している場合ではないのかもしれない。 「俺に不安になってくれてるんだ…?」 「あ…当たり前でしょう……っ」 「そんな事思う必要ないのになぁ…」 苦しんでほしくはないとは思うけど、そんな風に必死になって貰えるなんて初めての経験すぎて イオンは若干頭が浮かれ始めていた。 誰かに好意を持たれた経験など皆無すぎて、 もしかしてこの人俺のこと好きだったりする??と口元が勝手に緩んでしまう。 「っ…、ん…、も…ぉ、イオンさん…っ」 イオンが執拗に弄っていた胸の突起はぷっくりと腫れているように尖っていて、レンシアは居た堪れなさそうに眉根を寄せている。 その上擦った声には、また身体が熱を思い出すように反応していってしまう。 彼もそのようだったし、これ以上焦らす気概はイオンにはなく ベルトを外して制服のスラックスを脱がそうとした。 そこで目を見張ってしまう。

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