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覚えていたいこと 1
食堂に呼び出されたレンシアは、いつもの村八分席こと食堂の端の席にイオン達がいるのを見つけてそちらへと歩いて行った。
夕飯時は少し過ぎていて、生徒の数は疎らだったが彼らはいつも大体その端の席を使っていおり
今日も例に漏れずその席に集まっているようだった。
「あ…きたきた……」
イオン達は何故かテーブルを取り囲んで立ったままヒソヒソと話している。
レンシアが眉根を寄せながらそちらに近付くと、イオンが駆け寄ってくる。
「レンシアさん!目…閉じてください」
「……何故?」
「いいからいいから」
イオンは何故かにこにこしていて、別にイタズラをするような気配はなかったがレンシアは不思議に思いながらも言われたまま眼を閉じた。
後ろのフードの中で、ドラゴンも不思議そうに、ぐぅ?と声を出している。
レンシアはイオンに手を引っ張られて椅子に座らされた。
「じゃあレンシアさん目を開けて!」
そう言われて目を開くと、目の前に大きなケーキがあった。
チョコレートのケーキのようで、カラフルなロウソクが刺さっている。
「ハッピーバースデー!!」
「え……」
そして何故か拍手をされており、レンシアは驚きながらもみんなの顔を見回した。
「といってもちょっと遅れちゃったけど…」
イオンは頭を掻きながらも苦笑している。
そういえば彼がケーキがどうとか、言っていたことをレンシアは思い出していた。
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