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覚えていたいこと 2

「ええっと……?」 頭の中が混乱していて、レンシアは呆然と目の前にケーキを見下ろした。 ローソクには火が灯っている。 「なんか知らんがこいつが絶対ケーキにロウソクを刺したいと言い出してな」 「し、しかもカラフルなものとのご要望で…着色料でどうにかなりました……」 「なんか火を吹き消すといいらしいで。そうやんな?」 「そう!お願い事しながら吹き消すんすよ」 「お…お願い事……?」 「早く早く!蝋が垂れてきとる!」 急かされて、レンシアは訳もわからずロウソクの火を吹き消した。 みんなが幸せでありますように。 と思いながら。 すると改めて拍手をされてしまい、恥ずかしいやら嬉しいやらで妙にドキドキしてしまってレンシアは変な顔をしてしまった。 「じゃー、はいこれ。」 そう言いながらイヴィトは綺麗に包装された箱のようなものを渡してくる。 「え…?これ…は…?」 「決まっとるやん。誕生日プレゼント。 ウェーブルで有名なショコラティエの人のお店なんやってー」 イヴィトから受け取った箱は、どうやらチョコレート菓子が入っているようだ。 だけど綺麗な青色のリボンで丁寧にラッピングされており、そこそこ高価なもののようにも見える。 「俺からはこれだ。」 そう言いながらローラはどこからともなく巨大な瓶を取り出し、どん、と机の上に置いた。 「うお…一升瓶…」 「ちょい待ち…まさかお酒やあらへんよな…」 「バカ言え。学園内は飲酒禁止だろ? レンしぃを不良にするわけにはいかないからな これはただのアルコール入りの栄養ドリンクだ」 「酒じゃねーか!」 相変わらず屁理屈を捏ねくり回しているローラに、イオンとイヴィトが声を荒げている。

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