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覚えていたいこと 3
「19歳でしょ!?いいの!?」
「いいに決まってるだろ…15歳から可能だぞ」
「マジで!?」
「いや学園内は禁止やって!」
「まあ聞け。酒は百薬の長と言うだろ。
これは寝る前にちょっと飲めばぐっすり安眠できるという薬みたいなもんだ」
故に飲みすぎるなよ、とローラは微笑みながら瓶を滑らせてレンシアの前に置いている。
「ええっと……ありがとうございます…?」
「どうしても寝付けない時、心が落ち着かない時、嫌な事があった時、もういっそ飲んで忘れたい時…などに使え?」
「いやもう酒じゃん……」
レンシアは酒のことはよくわからなかったが、巨大な瓶は暴力的な量にも思えてしまうのだった。
「じ、自分は…ここ…こちらを……」
何故か床に正座しているヴェネッタは王様に捧げるように両手で小さな箱のようなものを差し出してくる。
シンプルな白い箱だったが赤いリボンが付いている。
「ほ、ほほ本当はレンシア様に自分の“ロージーローズ“をお気に召して頂けたとお聞きしましたのでキロで用意しようと思ったのですが…!お部屋にバスタブがないとかで……」
「ロージーローズ…?」
「ほらあの、入浴剤だ」
ローラの言葉に、レンシアは彼の部屋で風呂を借りた時の事を思い出した。
「ああ!あのとても良い香りの…!
あれはヴェネッタさんのだったのですね」
「ひぃぃ…!そうなんですすみません!
で、ですのでこれはそのぅ同じ香りのせ…石鹸です…こんなものですみません…!」
「ありがとうございます…嬉しいです」
「ああありがたき幸せ!!!!!」
レンシアは彼から箱を受け取りながら、あの時は本当にボロボロで、まさかこんな日が来るなんて想像すら出来なかったと思った。
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