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有限の時の中での無限 2
「よし……」
イオンは鏡の中の自分と頷き合って洗面台を出た。
部屋には、ジンシーバを膝に乗せてベッドに座っているレンシアの姿があった。
昨日イオンが渡したプレゼントの、
紫色のリボンをドラゴンの首に巻きつけて結んであげているようだ。
首の後ろで綺麗にリボン結びされているが、
まだ産まれたてのドラゴンには少々サイズが大きかったようでリボンというよりも涎掛けみたいになってしまっている。
「ふふ。似合いますねジンシーバさん」
「可愛いじゃん」
イオンが声をかけると、ドラゴンは目を細めて不機嫌そうにしている。
「……あれ?気に入らんかった?」
「…うーん。可愛いじゃなくてかっこいいがよかったのかな?」
「ええ…そんな2歳児みたいな……」
よく考えると生後一週間も経っていないので子どもっぽいのは仕方がないかもしれない。
レンシアへと目を向けると、彼もまた髪にリボンが結んであった。
少し大きめにしたので存在感があるものの彼の美しさを全然邪魔していないし、寧ろ際立たせていると言えるかもしれない。
「れ…レンシアさんもすごく可愛いっすね…」
イオンは無駄にドキドキしながらも呟いた。
自分があげたものを身に付けてもらって可愛いとかいうのはキショいだろうかとも思うけど、
見立て通り、寧ろそれ以上に似合っているのを見るとやはりテンションが上がってしまう。
「変では…ないですか…?」
「全然!!レンシアさんブルベかな?って思ってちょっと濃いめの紫にしたんすけど…すごいいいっす…!無敵っす!爆アドっす!」
またもやごちゃごちゃとした褒め方をしてしまうと、レンシアは片眉を上げながら首を傾けている。
「イオンさんは髪が長い方がお好きなのですか?」
「エ?ええっとそういうわけではないですけど…レンシアさんはなんでも似合うというか…
あ…切りたかったら全然ショートでも良いと思いますよ?
そしたらそれはそのう…手拭いとかで使って貰えば…」
もしかしたら本当は切ろうとしていた所だったのだろうか。
長いのはそれはそれでえちえちだなと思っていたが、
気を遣わせたかと焦っているとレンシアは立ち上がって顔を近付けてくる。
「このままでも良い?」
ふわ、とバラのような香りがして飛び上がりそうになりながらこくこくと必死に頷いた。
朝から色気を爆発させるのはありがたいやら困るやらで複雑に思うイオンだった。
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