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有限の時の中での無限 4

「君はとても先を見ているんだねぇ…若く優れたエネルギーが実に羨ましいよ。 来年の入学者の中でも、資金援助を受けられそうな生徒が数名出てきているし この事が広まっていけば、今まで入学を諦めて秘密裏に魔法を封じられてきた子たちが減っていくかもしれないね…」 貴族の家庭でもそうでなくても、入学を最初から諦めて早い段階で魔法を封じられているような子ども達も居るという事をイオンは理事長から聞いて知ったのだった。 魔法は感情と強く紐付いており、魔法を封じられたり取り上げられると言語障害や感情の抑制が難しくなったり、 最悪死に至る場合もあるのだという。 未熟な子どものうちの方がダメージが少ないものの、幼い身体では耐えられない場合も多いのだそうだ。 だが、法律違反者でもないのに魔法を封じたり取り上げる行為は基本的には違法となっている為 表立って取り上げられることはなく、ひっそりと行われる行為なのだそうだ。 「そういった社会問題に対しての提議もしていきたいと考えていますが…あくまで一起業なので…」 「そうだね。まぁ、今僕に出来ることはしていくつもりではあるよ 君が同じ事をした方が効果はあるだろうけどねぇ…」 「そうですかね…」 「そうだよ。結局…魔法使いが優先される国だからね」 ウィリンスは、十家のハートン公爵の嫡男で立場的にはイオンと同じだった。 だけどハートン学園というかなり大きな施設を運営している人間なので、力があるように見えるが彼の立場は結構難しいようだ。 何故ならハートン・ウィリンスは十家という上位貴族でありながら魔法を授からなかった人間だからだ。 「だから…君みたいな子が、魔道具ではなく普通の道具を作ろうとしているなんてね」 「…商品として広く売りたいのであれば誰しもが使えるものでないと…」 ボールペンの技術は地球人の文明の賜物ではあるのだが、 確かにこの世界は何々の魔法使い専用みたいな道具も沢山あるようだった。 企業もそういった所謂魔道具の開発に尽力している部分が多いようで、だから変な所がアナログのまま不便だったりするのかもしれない。

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