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有限の時の中での無限 6

「僕の立場でこれを言うと陰謀のようになってしまうかもしれないが、 君が今後も平等な視点を持ってくれる事を期待しているよ」 今は主語が大きくなっているもののそもそもの動機は偏っている上に不純のような気がしており、イオンはとりあえず頷いては見るものの 今後どう社会に溶け込んでいくかはまだ未知数なのである。 言っても目の前の事をやっているような状態に過ぎないから。 「さてと、学園内での販売許可だったね。 君には色々と貢献して貰えそうだからね。特別に許可しよう」 「ありがとうございます…!」 プレゼンが効いたのかどうかは分からないが、一先ず目的は達成出来たようでイオンは頭を下げた。 理事長は机の引き出しから紙を取り出し何かを書き始める。 「…レンシアくんとドラゴンくんは元気かい?」 「元気ですよ。ジンシーバはレンシアさんにべったりというか… サヴァトーラ先輩にも色々教えてもらってるみたいで」 「それは何より」 「…ありがとうございます…理事長のおかげです。 色々許して貰ってるし…」 「私は生徒の自主性をなるべく尊重したいからね。 ……うん、書きやすいねぇ?これ」 彼は早速ボールペンライクのペンを使ってくれていて、驚いたように声を溢している。 やっぱり地球人の発明は偉大なんだなと思わざるを得ない。 理事長は最後に印鑑を押すと、紙をこちらに差し出してくれた。 「はい、許可証。しっかりやりたまえ」 「はい…!」 イオンは卒業証書を受け取るように頭を下げながら許可証を獲得するのだった。 理事長室を後にすると、廊下の壁にもたれるように立っていたイヴィトとヴェネッタが駆け寄ってくる。 「どうやった?」 「バッチリ!許可もらいました!」 「おおお!さ…さすがイオン殿…!」 許可証を見せびらかすと二人は喜んでくれる。 「これで2人にも給料出せるよ…最終的には有給や社会保険とか福利厚生もちゃんと付けれるようにして……」 「いやいや…好きで手伝っとるだけやし」 「じ、自分はちょっとありがたいですけど…イオン殿には100年タダ働きしても返しきれない恩がありますからな…」 「何を言ってるの!労働の対価はちゃんと払わないと! 社員に背中を刺されるのが一番怖いんだから!!!」 「俺たちって社員やった?」 「ね、ねぇ……?」 2人は呆れているようだったが、イオンは身を持って体験した最悪の会社を体現しないようにと心に誓っているのだった。

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