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8位の男 4
「飯にするかぁ」
ローラは新聞を閉じながらだらだらと靴を履き始める。
「レンシアさん先取ってきて良いですよ。俺片付けてるんで」
イオンがそう言いながら両手を差し出すと、
そうですか?と言いながらレンシアはジンシーバを肩から下ろしてイオンに預けた。
ドラゴンは嫌がりもせずに目をキラキラさせたまま、食事を取りに行ったレンシアの背中を見送っている。
「なんか子育てしとるみたいやな…」
「……ハ?ハ?ななななにいってんの…」
「ドラゴンは選んだ人間以外はあまり懐かないと聞きましたが…
イオン殿には心を許しているようですな」
ジンシーバはイオンの膝の上に大人しく座っている。
ネルシャも相当に人懐こかったし、そういうものではと思ってしまっていたが違うのだろうか。
「い、いや同じ部屋だし?」
何故か変な汗が出てきてしまって否定してしまうイオンを、3人はちょっと白い目で見てくる。
「イオンっていいパパになりそうやんな。
授業参観とか全部最前列陣取ってそう」
「ボンクラの陰キャは子どもが趣味になりがちだからな」
「褒めてるん…だよね?」
「“B.E.R”の“お相手総選挙”でもイオン殿支持率は先月よりも2%程増えていますし!
ランキングでいうところの8位くらいですよ!」
「え…人気無……」
B.E.Rの低俗な雑誌並みのランキング結果には苦笑してしまう。
自分達の立場も考えて付き合っている事は公にはしていないが、フライデーされた日には大炎上するかもしれない。
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