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最後のティータイム 2

それからエルメーザを探し、皇帝家用のサロンに行く途中の廊下で彼の背中を見つけるとレンシアは駆け寄った。 「エルメーザさん…!」 エルメーザは振り返り、不可解そうに眉根を寄せた。 「…何故そんなにバタバタと走っている?」 「あの…、2人きりで…お話をしたいのですが……」 「なんだと?」 レンシアは彼の顔を見上げ、泣き出しそうになりながら震える声で呟いた。 ただ事ではないレンシアの様子に、エルメーザは無言のままこちらを睨み下ろしていたが やがて小さくため息を溢しながら歩き出す。 「丁度昼食をとるところだ。リウムが来るまでの間だぞ」 「ええ…感謝致します…」 レンシアは彼についていき、皇帝家用のサロンとして用意されている部屋へと入った。 部屋にはもちろん誰もおらず、まるで仕組まれているように好都合だった。 「…話とは何だ?」 エルメーザはソファに腰を下ろしながら呟いた。 「………あの…紅茶をお淹れしてもよろしいでしょうか……」 頭の中がぐちゃぐちゃで、吐きそうな程だった。 変な汗で全身が包まれているし、自分の呼吸音がうるさいし。 そんな様子のレンシアをエルメーザは観察するように睨んでいる。 「……随分と図々しくなったな」 レンシアは覚束ない足取りで部屋に備え付けてある棚へと向かい、紅茶の茶葉を取り出して水差しから水をポットに注いだ。 彼に背を向けたまま光の魔法で湯を沸かす。

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