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恋人は殺人犯? 3

気まずい沈黙が流れる医務室のドアが再び開いて、足早に理事長が飛び込んできた。 彼はローラの様子を見下ろすと、重苦しいため息を溢す。 「生徒から見慣れない男達を見たという証言もあるが…確証はない。 私も外部犯だとは思うがね… 同時に起きたレンシアくんの事件も、無関係とは言えないだろう」 「…脅されてやった、って事やろか…」 「可能性はあるだろう…」 「れ…レンシアさんがそんなことするわけない…っ エルメーザくんを、殺すだなんて……!」 「だが…現行犯逮捕だ。密室に2人きり…、彼も罪を認めている」 「そんな……」 「裁判は2日後だそうだ…」 理事長が頭を抱えているが、ドアがノックされ誰かが彼を呼んでいる。 「すまない…レンシアくんに関しては… 僕もあまりしてやれる事はないかもしれない… だが不審者の侵入を許し…、安全性に疑いを持たれるような事態を招いた事には学園にも責任がある…怪我もさせてしまった…」 理事長はそう言いながらも、布団の上から恐々とローラに触れたが すぐに掌を握り締めて、こちらに背を向け去っていってしまった。 大変な騒ぎになっているようだし、対応に追われているのかもしれない。 だけどイオンは今自分をそこに縛り付けている事で精一杯だった。

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