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恋人は殺人犯? 4
「イオン…とりあえず休んだらどうや…
俺も情報集めておくし、…明日考えよう
ローラも目を覚ましたら、きっと色々助けてくれる」
イヴィトに促されて、イオンは茫然と頷きながらもよぼよぼと立ち上がった。
いつも平気なはずのドラゴンが岩のようにずっしりと重く感じてしまう。
「1人で戻れる…?平気?」
「うん……」
イオンはトボトボと歩き出し、自動操縦のように寮へと戻っていった。
すっかり日も落ちて暗くなっている静かな廊下を1人で歩いていると、あり得ないくらいの絶望感が襲ってくる。
胸の中で小さく聞こえてくるドラゴンの鼓動だけをどうにか頼りにしながら、イオンはいつもよりも数倍の時間をかけて部屋へと戻って来た。
部屋の中はシーンと静まり返っている。
いつもは、レンシアの方が先に居て笑顔でおかえりと言ってくれるのに。
「……レンシアさん…」
最後に見た彼の後ろ姿。
声を張り上げて呼んでも振り返ってもくれなかった。
よたよたと部屋の中に進み行って、レンシアのベッドを見下ろす。
「…っ…レンシアさん……」
床に崩れ落ちて、彼のベッドに突っ伏しながらイオンは泣いた。
悲しみと不安が溢れて止まらなかった。
もう2度と、会えなくなる?
その予想は、全てを奪われてしまうくらいの恐怖だった。
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