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目撃者 1

イオンとイヴィトはリウムの後を追いかけていた。 リウムはノックもせずに医務室のドアを開けている。 2人も彼のすぐ後に部屋に入ると、ローラのベッドの脇には項垂れた様子で座っている理事長の姿があった。 彼は大股で近付いてくるリウムを驚いたように振り返る。 「君たち…」 理事長もまたどこか寝不足の顔をしていて、いつもより服も髪もよれよれに見えた。 「理事長…もしかしてずっとここにいたんすか…?」 イオンが聞くと、彼は眉根を寄せながら俯いてしまった。 ローラは相変わらず眠ったままのようだ。 「サンちゃん…!起きて!先輩が死刑になっちゃう!!」 「ちょ…リウム、あかんって…」 リウムはローラを無理矢理起こそうとしており、慌ててイヴィトが彼を抑え付ける。 もみくちゃになっている2人に自分も加わった方がいいかとイオンが戸惑っていると、手からするりとドラゴンがベッドの上に落ちてしまった。 ドラゴンはよちよちとローラの上を歩いて行って彼の頬を舐めている。 「わ、こら!ジンシーバ…!」 イオンは慌ててドラゴンを抱え上げた。 「……ローラの周りはいつも賑やかだね…」 理事長は何故か小さく笑っていて、その声は寂しそうでもあった。 するとローラの瞼がぴくりと動き、彼は片手で目を擦っている。 「う……るせえな……こういう時くらいゆっくり寝かせろ……」 「ローラ!!」 いつもよりも覇気の無い声で呟いているローラだったが、全員ベッドに張り付いてその顔を覗き込んだ。 ローラは、不機嫌そうに眉間に皺を寄せて薄らと目を開いている。

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