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狂信者たち 5

「…でも…証拠はありませんし…、そもそも俺の証言は虚言として扱われるでしょうから…」 「反魔法主義…ですかぁ、同じ非魔法人としても少々難儀な連中ですからなぁ…」 「さ…最近起きたテロ未遂と同じ人達ですかねぇ…?」 あの男達は本気で反乱を起こしているようだったし、証拠を残すような事はしていないだろう。 あくまでレンシアが復讐した事にして、魔法使いに対しての不信感を募らせるつもりなのかもしれない。 「……ローラさんが無事だといいのですが…」 「ローラ殿は、た…確か救出されたと聞いております…」 「そうですか、よかった……」 巻き込まれたローラの事は気掛かりだったレンシアは、 イオンはちゃんと助け出してくれたようで、胸を撫で下ろした。 「しかし今の話からすると…そのローラ殿というご友人が人質に取られている手前エルメーザ殿下に…毒を?」 「ででで、でもエルメーザ殿下は生きておられるんですよ! さっき号外でばら撒かれていたのを一緒に見たじゃないですか!」 「……渡されたものは確かに猛毒でしたが、解毒したのです…」 「げどく??」 「…ええ、エルメーザ様は当然今回だけでなくても暗殺の危険はつきものですから… …お食事に癒しの魔法を使って解毒をかける事もあります」 今は大人数での食事の場合など限定されていたりするが、エルメーザが皇帝になれば毎食そうなる事だろう。 そう言った意味でも“大天使の生まれ変わり”が伴侶になる事が推奨されるのだ。 「…本来ならば…何を切り捨てでも皇族を守らなければならないのでしょうけど… …こうするしかなかったのです……」 レンシアにはローラを見捨てるなんて出来るわけがなかったのだ。 後悔のない選択、を考えた時にこれが考えられる限り最善だったとレンシアは思っていた。 「……2人が無事なのであれば充分です… 俺がテロ組織に従ってエルメーザさんに危険を及ぼしたのは事実ですから…然るべき罰は受けます……」 レンシアが呟くと、2人は口を閉ざしてしまった。 こんな負け戦に彼らを巻き込むわけにはいかない。 諦めてくれたのなら好都合だった。

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