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狂信者たち 6
「や…やっぱり……レンシア様は……」
「……」
「尊すぎる……」
「しょ、しょ、小生感動いたしました!!!」
「…はい?」
「2人を救うために自分を犠牲ェにしたんすか!?!なんという慈悲深いお心!?愛の塊!?推せる!?」
「想像通りかつヴェネッタ殿から聞いていた通りのヴィーナスオブミューズ!?裏表なし!!!推しててよかったぁ!!!」
「命捧げられる!!」
「金を払わせてくれ!」
騒ぎ出す2人にいよいよ看守が近付いてきて、2人の頭を掴んでいる。
「おいこれ以上騒ぐな。放り出すぞ」
「ヒィィ!お待ちくだされェ!」
「はがしキター!!」
頼れるのだかなんだかわからない2人だったが、牢に入っていても変わらず接してくれる様子にはやっぱり少し救われてしまう。
レンシアは微笑みながら椅子から立ち上がった。
「…虚言かもしれないのに…信じてくれてありがとう、俺は幸せ者ですね」
「レンシア様…」
「ヴェネッタさん…俺が頼みたいことは一つだけです」
再び床に蹲るようになっているヴェネッタに顔を近付けるように跪いて、レンシアは目を細めた。
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