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僕らが出来る事 4
「レンシアさんは無事…!?なんか言ってた!?」
イオンは思わずヴェネッタに駆け寄って、彼の顔を覗き込んだ。
しかし彼の眼鏡の向こうの瞳は泣き腫らして真っ赤になっており、今も涙目だった。
「う…ぅうう……じ…自分は……自分は……っ…ううう…」
ヴェネッタは唸りながらもイヴィトの後ろに隠れてしまって、彼の背中に張り付いて泣いているようだった。
イヴィトは小さく息を吐きながら、首を横に振った。
「…レンシーは然るべき罰を受けるって…、弁護も断りたいって言ったみたいや…」
「そういうわけには行きませんぞ!!小生は例え断られても戦う所存であります!
意義なし〜しか台詞が設定されていないモブに弁護させるわけにはいかないですからな!」
弁護士はどうやら戦う気があるらしく、イオンは彼に向き直った。
「助けてくれるんですか…」
「無論ですぞ!しかしまぁ…正直難しいでしょうなぁ…
相手は皇帝家ですし…証拠もほとんどなく…、弁護士としては貧乏くじ並みの負け戦ですな…
ま、小生はそんなのは慣れっこなんですけども!」
がはは、と笑う楽観的な弁護士は本当に大丈夫かと若干不安になってしまう。
「まぁ…現行犯逮捕で証拠充分。99%有罪だろう。
レンしぃ狂いのB.E.R会員でなきゃ引き受けないくらいの仕事だろうな…」
「むむ!?何故小生が会員と分かったのですかな!?これが魔法!?」
「見ていれば嫌でも分かる」
「ローラ…レンシーのこと思い出せたんか?」
「当たり前だ。俺が記憶改ざん魔法なんかにやられるか
あいつらがレンしぃを脅迫しているのもバッチリ聞いたぞ」
「ご友人は皆レンシーって呼んでるでござる!?!」
「うるせえなこいつ…」
ローラは疲れているようにため息を溢しているが、相変わらずどれだけ年上の立場がある大人相手でも不遜な態度は変わらないらしい。
「いやしかし!それですぞ!ここへ来た目的も何を隠そうローラ殿が証人という事でお話を伺いに参った次第で!」
「証人…?明日法廷に出るって事?大丈夫…?」
「ふん。這ってでも行ってやるさ」
「なんと頼もしい!!!推せる!!」
ローラはまたしても推され始めていたが、とりあえずレンシアの味方が増えてきて嬉しく思うイオンだった。
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