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僕らが出来る事 5

それから、エカルティ達がレンシア本人から聞いた情報とローラが思い出した情報を聞かせてもらった。 反魔法主義の過激派に捕まり、 レンシアはローラを救うためにエルメーザに猛毒を解毒したものを飲ませた、という事だった。 エルメーザが意識を失ったのは解毒はしたものの睡眠薬のようになってしまった所為なのだろう。 レンシアが2人を救うためにわざと犠牲になったのだと思うと、 実に彼らしいような気がして、イオンはドラゴンを抱き締めながら唇を噛み締めていた。 「…イオンが俺達を見つけて学園に戻ってきた時レンしぃは既に逮捕され連れて行かれる所だった。そうだな?」 「うん…追いかけたけど…馬車に乗っちゃうところで…」 「…あまりにも早すぎると思わないか?」 「たまたま来とった皇帝家付きの魔法使い達が見つけたって新聞には書いとったな…」 「それだ。あいつらは戦争について妙に確信めいていたからな… 皇帝家付きの中にもいるのかもな。スパイが」 「うーむ…思ったより敵は強大なのかも知れませんなぁ… 反魔法主義の過激派に脅されたとしても…実際に実行したのはレンシアたそという事には変わりない… ローラ殿に関してなどの余罪は取り払えても、“暗殺未遂”まで覆すのは難しいやもしれませぬ……」 見た目と喋り方はともかく、現実的な事を言っているエカルティは意外と信頼できる弁護士なのかも知れない。 だけどレンシアが不利な状況には変わりないようだ。 「た…助けるって言ったではないですか…エカルティ殿…」 「う…それはそうなのですが…。 弁護士はどちらかといえば無罪の証明よりもこうなるべく罪が軽くなるようにという立ち回りの方が多いというか…」 「うぅう…うそつき……」 ヴェネッタはイヴィトの後ろから片目だけを出してエカルティを睨んでいる。 「いや…こいつの言っている事は最もだ。 求刑は極刑…、これを避けるだけでも高難易度と言える 次期皇帝に睡眠薬を飲ませた事実は変わらんからな… 無罪になるには余程の奇跡が起きない限り無理かもしれんなァ…」 「で、ですよね…!?分かっていただけますかな…!?」 確かに、死刑は絶対に避けてほしい事だけど そうだとしても何年かはレンシアは服役しなければならないという事なのだろうか。

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