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僕らが守りたかったもの 3

「エルメーザ殿下に液体を飲ませなければローラ殿が死んでしまう… しかし猛毒を飲ませればエルメーザ殿下が死んでしまう… どちらも殺すわけにはいかなかったれん…被告人は、自らの癒しの力を使い…っ…! 大天使の名に恥じぬ…っ!慈愛の行動を…っ取ったのでありますな…っ!」 エカルティは喋りながら男泣きし始めている。 彼が始まる前に言っていた、正義のために行動したという証明、の意味がやっとわかって レンシアは嬉しいような恥ずかしいような気持ちになってしまった。 ローラはこちらをチラリと見ては、どうだ?というように口の端で笑っている。 いつもよりも少し青い顔をしている彼は、本当は起き上がっているだけでやっとなのかもしれない。 「ありがとう…ローラさん……」 レンシアは小声でお礼を呟いた。 きっと彼には聞こえなかっただろうけど、自分の行動を肯定してくれたような気がして嬉しかったのだ。 「…エルメーザ殿下の暗殺を企てた“真犯人の存在”。 そして“睡眠薬の謎”は分かりました。 被告人は脅され、命の選択を余儀なくされた結果、エルメーザ殿下に解毒した液体を飲ませたと。 被告人、間違いありませんね?」 裁判長に問われ、レンシアはこくりと頷いた。 その所為で傍聴席は大いにざわつき始める。

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