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自分に誇れるように 3
「それでは、判決を言い渡します。
…エルメーザ殿下の飲食物への故意の異物混入及び皇帝家への反逆罪により…被告人レンシアに禁錮150年の」
「ちょっと待ったァァァァ!!!」
恐ろしい言葉に血の気が引いてイオンが倒れそうになっていると、凄まじい勢いで法廷のドアが開かれた。
「な…!?」
裁判長は目を見開き、傍聴人達もそちらへと目を向ける。
イオンも気絶しそうになりながら、ズカズカと乗り込んできた人物へと目を向ける。
「…リウム……?」
「ふざけないでよ!!その人が誰だかわかって言っているの!?」
「せ、静粛に…傍聴人は口を挟まないこと…!」
「煩い!恩知らずの人間共め!!
その人はねえ…!その人こそが本物の大」
怒り狂って叫んでいるリウムの口を後ろから誰かが塞ぎ、2人に注目が集まり法廷内は今日1番のざわつきを見せている。
「意義ありだ、裁判長…」
「で…殿下……」
リウムの口を呆れたような顔で塞いでいるのはエルメーザだった。
彼は、リウムを丁寧に退けるとツカツカと傍聴席との仕切りで置いてある柵の所まで歩いていき
軽い身のこなしで柵を越えると、証言台へと近付いた。
「私に証言させろ」
「な、何を言って…殿下……」
エルメーザはレンシアを退けると証言台に無理矢理立った。
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