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一緒に帰ろう 2
「レンシア様ぁぁぁ!!!」
「今絶対お邪魔やって…!あ、ほらもう……」
叫び声とツッコミが聞こえてきて、レンシアとイオンの2人は思わず顔を見合わせてしまう。
お互いに号泣している顔を見ながら、小さく笑い合って涙を拭いながら立ち上がった。
門のところに見知った顔達が並んでいて、レンシアはジンシーバを抱え上げイオンに手を引いてもらってそちらへ走って行った。
「よ、よが…よがっだでずぅぅぅ」
「いやー!一時はどうなることかと思いましたな…!」
「ほんまに…禁錮150年ってほとんど極刑と変わらんやんっていう…」
「エカルティさん…弁護ありがとうございました
ヴェネッタさんも、イヴィトさんも…色々御助言下さったのでしょう?」
「そそそんな…自分は何も…褒められたことは何一つ……
イヴィト殿にずっと泣いてても仕方がないと怒られてそれで…」
「小生もですぞ…!結局エルメーザ殿下にどかーんと最後持っていかれましたからなぁ…
静一杯も二杯も頑張って…それでも禁錮150年とはお救い出来たとは言えぬ不甲斐ない結果に……」
「何を言っているのですか!俺の名誉を守ってくださったでしょう?」
「ヒィィ!怒られているようで褒められているッ!?有難っ!?」
「イオン…大丈夫?立ったまま気絶しとらんよな?」
「……どうやったらレンシアさんと同じ墓に入れるか考えてる……」
「やから怖いんやって!今考える事じゃあらへんやろ!」
イオンはずっとレンシアの手を握り締めていたけど、レンシアもそうしたかったので好きにさせる事にした。
何も説明せずに勝手に大変な事を押し付けてしまって、彼にはすごく申し訳ないような気もしたから。
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