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ずっと。 2
耳たぶに彼の歯が当たって甘噛みされながら、服の上から胸の突起を撫でられるとレンシアは思わず唇を噛んだ。
指先で引っ掻くようにされると、ビリビリと電流が走ったみたいな甘い快感が走っていく。
レンシアは皇帝に失礼が無いようにと触る練習はさせられていたけど、触られる練習なんてして来なかったし、本にだってあんまり書いていなかったのだ。
どうしているのが正解なのか分からないのに、
頭の中が真っ白になって勝手に身体が疼いて妙なことを口走ってしまいそうになる。
「また噛んでるでしょ…だめだって」
イオンの声がすぐ耳元で聞こえてきて、突起を摘み上げられると抗えなくなってしまう。
だけど、手を煩わせるな時間を無駄にするなと言われ続けた手前あんまり煩くしてはいけないといつも声を押し殺していた癖が抜けなくて。
「……レンシアさん」
ちょっと怒ったように呼ばれながら、イオンの指先が唇に触れてきた。
彼の指が口腔に入ってくると、さすがにそれを噛み締めるわけにはいかなくて口を開く他無くなってしまう。
「…っ…ぁ…」
指先で舌を捏ねくり回されながら、カリカリと突起を引っ掻かれると視界がじわっと滲んでいって唾液でイオンの指を濡らしてしまう。
それが申し訳ないと思うのに、もっとして欲しいという欲望に支配されてレンシアはきっと彼を見つめてしまうのだった。
「…は、ぁ……っ…ァ……、ん」
自分でも聞いた事のないような甘い声が吐き出されていく。
イオンが煩いだなんて言わないとは分かっているけど、ちょっとだけ罪悪感みたいなものが湧き起こってレンシアはやっぱり少し声を抑えようとしてしまう。
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