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一緒に選んで 3

レンシアは眉根を寄せて微笑んだ。 「うん……」 頷きながら、やっぱり涙が溢れてしまって レンシアはイオンの胸に顔を押し付けながら泣いた。 そんな彼を置いて行こうとしたのに。それでも、こんなにも尊重してくれて。 それでいいと言ってくれる。 「俺は罪深い人間です…、でも…もしも選べるのなら…それが許されるのだとしたら… 一緒に…いたい……あなたとずっと…」 彼といるから、自分は自分であれる。 だってもう、こんなにも貰っているから。 自分を削る必要なんて無くなってしまったのだ。 彼といるだけで、充分なくらい。貰ってしまっているから。 「ずっと…一緒にいたい…です……っ」 「っ…レンシアさん…」 「うぅう……うぇぇ……っ」 イオンに強く抱き締められて、レンシアは結局また大声で泣きじゃくってしまった。 すごく幸せで、嬉しくて、愛されてるという事に打ちのめされているみたいに。 そんなことが許されていいのかと思うけど、 何か許されるのだとしたら、とレンシアは祈ってしまっていた。 許されるのだとしたらどうかこの人と、 選んでいけることを。 そんなこれからを、選択していけたなら。

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