475 / 513
一緒に選んで 3
レンシアは眉根を寄せて微笑んだ。
「うん……」
頷きながら、やっぱり涙が溢れてしまって
レンシアはイオンの胸に顔を押し付けながら泣いた。
そんな彼を置いて行こうとしたのに。それでも、こんなにも尊重してくれて。
それでいいと言ってくれる。
「俺は罪深い人間です…、でも…もしも選べるのなら…それが許されるのだとしたら…
一緒に…いたい……あなたとずっと…」
彼といるから、自分は自分であれる。
だってもう、こんなにも貰っているから。
自分を削る必要なんて無くなってしまったのだ。
彼といるだけで、充分なくらい。貰ってしまっているから。
「ずっと…一緒にいたい…です……っ」
「っ…レンシアさん…」
「うぅう……うぇぇ……っ」
イオンに強く抱き締められて、レンシアは結局また大声で泣きじゃくってしまった。
すごく幸せで、嬉しくて、愛されてるという事に打ちのめされているみたいに。
そんなことが許されていいのかと思うけど、
何か許されるのだとしたら、とレンシアは祈ってしまっていた。
許されるのだとしたらどうかこの人と、
選んでいけることを。
そんなこれからを、選択していけたなら。
ともだちにシェアしよう!

