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夢は叶うもの 3
ネルシャが地面に降り立つと、サヴァトーラはドラゴンの胴体から降りてレンシアの背中を押した。
「とりあえずネルシャで練習したまえ」
「え?れ、練習ですか…?」
「そうだ。ドラゴン使いにとって“飛行”は必須スキルだからな」
「ひ…飛行って……い、一緒に飛ぶってこと…!?」
「そう言っているだろ…」
『多分言ってませんわ!サヴァトーラ!先に説明をしてしまっておりましてよ!』
「そうだっけ…」
サヴァトーラはぽかんとしているが、ネルシャはため息をこぼして首を振っている。
『よろしいですか?レンシアさん』
「は、はい…」
『わたくし達ドラゴンは空を飛ぶのが大好き!
時々己を忘れてフィーバーしてしまいますの
ですからそんな時人間の皆様に“落ち着いてちょうだいね“と言って頂けますとハッと我を思い出しましてよ』
「えぇ…?」
「まあ建物への激突や事故を防ぐためにも人間の往来がある所での飛行は魔法使いと一緒というのが義務付けられている。
その割に狭い場所だと飛んで移動しろとかいうのもあるからな」
「な…るほど…?」
理屈はわからんでもなかったが、つまりはドラゴンに乗って空を飛ぶ、というのはドラゴンとの生活には必須科目らしい。
思ってもみないことだったが、確かに人間と形状も性質も違う生き物と暮らすというのはこういう監督責任も必要になってくるだろう。
レンシアは恐々と、先程サヴァトーラがしてみせたようにネルシャの胴体に乗せてもらった。
「腿で胴体を挟んで、この首の所に両腕でしがみついてバランスを取れ
だがあんまり必死にしがみつくとネルシャも苦しくなるからな」
「こ…こうですか…?」
「うん。まあ多分大丈夫だろう」
『ちょっとサヴァトーラ!いきなり1人で乗せる気ですか!?
レンシアさんは初めてなんですよ!ちゃんと同乗なさいね!』
「そ、そうか…よし…」
サヴァトーラはまたもや怒られており立場が逆ではないかと思うのだが、彼はレンシアの後ろに乗って身体を支えてくれる。
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