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夢は叶うもの 6
時間がある時はまたレンシアの飛行訓練もしようと言ってもらえて、今日のジンシーバの飛行訓練は終了となった。
ジンシーバは流石に疲れているのか、ぐでっとレンシアの腕の中でだらけている。
レンシアは空を飛んだという事実にまだ少しドキドキしてしまっていて、
イオンと寮へ帰りながらも少し上の空だった。
「ふふ。良かったね、夢が叶って」
「…え…?」
レンシアが顔を上げると、イオンは何故か嬉しそうに微笑んでいる。
「…言ったでしょ。“飛べる”って……」
イオンの言葉に、空を飛んでみたいと彼に言ってしまった事を思い出した。
あの時イオンは、飛べると言って泣いてくれていた気がする。
「…とか言ってみたりしてぇ…」
呆然となっているレンシアに彼は苦笑し始めたが、レンシアはなんだか泣きそうになってジンシーバを抱きしめるように俯いた。
人間は空を飛べないって、決め付けて、諦めていた。
イオンはこんな事になるなんて予想できなかったはずなのに、それでも。
「………いつか…イオンさんも一緒に飛べるように…頑張ります…」
ジンシーバが大きくなって、飛べるようになったら
あの景色を3人で見にいけるだろうか。
諦めていたものを、誰かと共有できるだろうか。
レンシアは涙で滲んだ視界の中イオンを見上げて微笑んだ。
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