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でかい実家に帰ろう 2

道の先に大きな門が見えてくると、銀世界の中に煌々と輝く灯りが見えた。 「イオン様!」 大声と共に灯りは近付いてきて、それは使用人の青年が持っているランプだった。 彼は笑顔で駆け寄ってくる。 「おかえりなさいませ!」 「うん、ただいま」 「イオン様がお戻りになられるのを今か今かとお待ちしておりました…!」 少し年上の青年は、幼少の頃から一緒に屋敷で育った使用人の息子でスライド式にそのままリチャーデルクス家に勤めてくれている。 彼はイオンの持っている鞄を奪っていった。 「えっと、レンシアさんだよ」 「は…初めまして…」 「勿論存じております…!遥々よくおいでくださいました!」 「で、彼はゼルディーくんね。子どもの頃からずっと一緒で…俺のお兄さんみたいな…」 「お兄さんだなんて恐れ多い!私は一介の使用人ですっ」 イオンは彼に子どもの頃、よく面倒を見てもらった記憶がある。 だけど子どもの頃から使用人として接してくれていたので、確かに若干距離はあったけれど それでも年も近いし、屋敷の中では結構砕けて話せる相手だった。 「さぁ、早く中へ。お風邪でも召されたら大変ですから」 ゼルディーはそう言いながら微笑んで、先導してくれた。 テーマパーク並みの大きな門をくぐると、その先には巨大な屋敷が待ち構えていた。 近くで見ると逆に全容を見れないくらいの強大な、文化財みたいな建物を前にレンシアはまたぽかんとしている。 「あはは…ちょっとデカすぎるよね…」 「皇帝家のお屋敷でもこんなに立派では……」 「まぁ…この山全体がうちの敷地らしいからしょうがない…」 屋敷というよりも城といっていいレベルで、未だにこれが実家とは思えないくらいだったが 周りは山に囲まれているし、大勢の使用人もここに住んでいるのである意味これが一つの町みたいなもので、多分必然的に巨大な施設になって行ったのだろうとイオンは考えていた。

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