496 / 513
父たち 2
「何を言うか!私にとっては一生可愛い息子ぞ!」
「…じゃあ僕にもハグをさせてくれ」
「よしきた!」
「君とじゃなくてだね」
イオンを解放して抱き着こうとする侯爵を華麗に避けてフィヲはイオンの頭を撫で頬を包むようにしてくる。
「元気だったかい、イオン」
「はい…父さんもお変わりないようで…本当に」
フィヲは侯爵よりも年上のはずだったが、イオンが物心ついた時から全然見た目が変わっていなくて
本当に人間なのだろうか、いや…ゲームキャラか…?と思ってしまうイオンだった。
「また少し背が伸びたんじゃないか?」
「そう…かな?」
高身長は両親譲りで、侯爵は勿論だがフィヲもそれなりにタッパがあった。
だけど確かにいつの間にかフィヲの身長は越えてしまったかもしれないと思ってしまう。
「随分と活躍しているようだなぁ!会社は順調か?」
「おかげさまで。
あ、そうだ。色々相談に乗ってくれてありがとうございました。
父さんも忙しいのに資料とか送ってくれて…助かりました」
「そ?君の役に立ったのなら何よりだよ」
会社を立ち上げる際にイオンは2人には色々と相談していたので、元々いた世界と勝手が違ってもスムーズに起業する事ができたのだ。
侯爵は人を紹介してくれたりしたし、
フィヲは資料を送ってくれたり色々と知恵を授けてくれて大いに助かったと言える。
ともだちにシェアしよう!

