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父たち 5

「それに…まぁ。僕が結婚するわけじゃないしな」 「その通りだ!ど〜せ私は家の事を全てイオンに託して先に死ぬからな! どうなろうが知ったことか!はっはっは!!」 2人とも無責任な事を言っているが、昔から2人はこんな感じなのだ。 自分さえ良ければいい、と言ってしまえばおしまいなのかもしれないけど、 彼らは彼らなりに信頼して自主性に任せてくれているのかもしれない。 放任しているようで頼れば色々手は尽くしてくれるし、今日も本当は忙しいのに2人ともわざわざ集まってくれたのだろうし。 だからこそイオンは、彼らを人としても尊敬しているのだった。 「まあ個人的な意見を言うと、イオンはなかなかの面食いだったか〜とは思うがな!」 「な…外見だけじゃないってレンシアさんの良いところは…!」 「かわち〜系だったか!と思ってなぁ!」 「そりゃかわち〜ではありますけども…」 「わ、これがブラックダイアドラゴンか!寝ている!可愛い!」 侯爵と押し問答しているといつの間にかフィヲは暖炉の前で丸くなって寝ているドラゴンの傍にしゃがみ込んで眺めている。 「なんてぷにぷになんだ…!可愛すぎる…! ぐ、ぐちゃってしたい…っ!」 「父さん!?やめてね!?!」 キュートアグレッションが発動しているフィヲにイオンは慌てて釘を刺しておいた。 「ま、堅苦しいのは抜きだ!なんにせよめでたい事には変わりない!飲もう飲もう!」 「は…、はぁ…」 侯爵はレンシアの肩を抱きながら、いつの間にか酒瓶が積んであったテーブルへと連行している。 「ちょっと父様、俺たちまだ学生なんだから…」 「堅いこと言うな!ここは学校じゃないんだぞ?」 「あ…あんまり飲ませないでよ!?」 個性が行きすぎて暴走し始めた両親を必死に止めに翻弄するイオンだった。

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