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親として 4
そんな風に言って貰えて良いのだろうか、とも思ってしまうけど。
嬉しくて、レンシアは目に涙を溜めながら頷いた。
「はは。いい子だなぁ君は…イオンが選ぶのも分かる気がするよ」
フィヲはそう言いながらレンシアを抱き締めてくれて、よしよしと頭を撫でてくれる。
「なるべくは2人で頑張るように。
でも、2人でどうにもならない時は言いなさい。
僕らは“君らの親”なのでね。親は賢く頼る事、だよ」
「…っ…はい…」
親、というのはこんなにも無条件に信じて愛してくれるものなのだろうか。
レンシアにもそう名のついた大人達はいたけれど、こんな風に言って貰えた事なんて初めてだった。
つい涙を溢してしまったが、フィヲは身体を離すとまた酒瓶に手を伸ばしている。
「よし、じゃ乾杯しようじゃないか!」
そう言いながらレンシアのグラスにドバドバと酒を注ぎ、自分のグラスにも同じようにしている。
「かんぱ〜〜い」
勝手に乾杯するとフィヲは酒を一気に飲み干している。
レンシアも涙を拭いながら、ぐい、と酒を煽った。
「おお、なかなか良い飲みっぷりだ!」
フィヲは何故か嬉しそうに微笑んでおり、更に酒を注ごうとしてくる。
レンシアは人並みには飲める方ではないかと思ってはいたが、侯爵もかなりのハイペースだったのでリチャーデルクス家は酒豪の家系なのかと思ってしまう。
だけどその嫡男は酔い潰れているわけだが。
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