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親として 5
「フィヲ!ここにいたのか!」
ドアが勢いよく開くと同時に侯爵が戻ってきたようだ。
「げ…見つかった……」
彼はバスローブ姿で大股でこちらへやってくるとフィヲをひょいと抱え上げてしまう。
華奢ではあるもののフィヲもなかなかに高身長だったが、侯爵は犬のように軽々と担いでいる。
「息子達との時間に浸るのも分からんではないが私にも多少は割いて欲しいのだがな!?」
「君との時間はいつも取ってるだろ…」
「何を言うか!?いうて我々も一週間ぶりぐらいだろうが!全然足りんのだが!?」
「はぁ〜…?って、ちょっとぉ…!レンシアくんと喋ってたのにぃ…!」
フィヲは侯爵に担がれ、連れて行かれてしまった。
レンシアはぽかんとしながらも、なんだか2人は仲が良さそうで、
イオンさんの親御さんだなぁ、という感想になってしまうのだった。
「んん……」
レンシアの腹に抱き付いて寝こけていたイオンは何か唸りながら藻搔いている。
「イオンさん…大丈夫ですか?」
声をかけるとイオンは顔を上げて、しょぼしょぼと瞬きをしている。
顔が赤くなっているし、本当に大丈夫だろうかと彼の額に触れた。
「お水…飲みますか?」
テーブルの上にあった水差しに手を伸ばそうとすると、それを制止されてイオンは起き上がった。
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