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独りじゃないから 3

なんだかジンシーバはレンシアの一部みたいな感じがして、レンシアが投獄されたとしたら一生面倒を見ようと思ったくらいだ。 思えば、有効な治療法もなく病気になって死ぬのを待つしかなくなった時よりも、ブラック企業でこき使われていた時よりも、 ピエロみたいに振る舞うしかなかった時よりも虐められていた時よりも、 何よりも辛かったのは1人きりだと感じている時だった。 1人というのはすごく虚しくて、辛いことで。 誰でもいいから近くにいて欲しいと思ったものだ。 「…もし俺が先に死んでも…レンシアさんとずっと一緒に居てやってな…」 イオンは犬のようにでろーっと膝の上でひっくり返って、無防備にお腹を向けてくるドラゴンを撫でながら呟いた。 その姿は大変頼りなかったけど、ちゃんと生きていければ人間よりも長生きする種族なのだろうから。 なるべくならレンシアの側に居たいしそのつもりだけど、そうでなくなる時がまた来ないとも限らない。 それに彼はただでさえ辛い思いを沢山してきたのだろうし、きっと孤独だって感じてきたのだろう。 だからこれ以上井小田が味わっていたような思いなんてさせたく無いと思ってしまうのだ。 「ん……」 ベッドの方から声が聞こえてきて、イオンはドラゴンを暖炉の近くに寝かせるとそちらの方へと戻った。 レンシアは身じろぎをしながら目を薄っすらと開けている。 寝起きでも紫色の瞳はきらきらと光っていて綺麗だった。 「…おはよ」 昨日結構めちゃくちゃしてしまったけど大丈夫だろうかと顔を覗き込むと、レンシアは微笑みながら手を伸ばしてくるので イオンは顔を近付けて口付けた。 するとそのまま抱き付かれてしまい、そのままベッドに引き摺り込まれてしまった。 「れ、レンシアさん…」 「ふふ。ごめんなさい」 レンシアの隣に寝っ転がると、彼はくすくすと笑っていて イオンはその可愛い笑顔には何も言えなくなってしまう。 ずっとそうやって笑っていて欲しい。彼の笑顔を見る度そんなことを思うのだ。

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